2022.01.04

食べる

【レシピ付き】ココロも身体も「ホッ…」と一息つきませんか?冬に食べたい、北海道の郷土料理3選

寒さが身に染みる季節となりました。この季節、恋しくなるのがあたたかい汁物です♪寒い外から帰ってきたときや、朝起きて眠い目をこすりながら口にすると、身も心も「ホッ…」としますよね。そこで、今回は寒い冬にたべたい北海道の郷土料理をご紹介します!

魚と野菜がたっぷり!美味しい&栄養満点な「三平汁」

三平汁」は、塩漬けにしたサケタラニシンなどの魚と、じゃがいも大根などの野菜を使った道内全域に伝わる郷土料理です。昆布で出汁をとった後に、魚の塩引きやぬかづけを野菜と一緒に煮込みます。魚の頭や骨なども一緒に煮込むことで、より一層うまみが増すんだとか!家庭で食べられることも多い北海道の冬の定番料理となっています。

ところで、なぜ「三平汁」というのか気になりますよね…。由来は諸説あるそうですが、松前藩の藩主が狩りに出たときに、斉藤三平という漁師がありあわせのもので煮込んだ汁を食べたところ、藩主が大変気に入ったため「三平汁」と呼ばれるようになったという説もあるそうです。ありあわせでこんなに美味しい料理が作れちゃうなんて、三平さんはきっと料理上手に違いない!(笑)

同じサケを食材とする「石狩鍋」と一緒にされることもありますが、味噌汁仕立てで生サケを使う「石狩鍋」とは違い、「三平汁」は主に塩漬けされたサケを使うことが特徴です。使う魚や味付けも地域によってさまざまで、道央地域や道東地域では塩ザケを使いますが、道北地域では塩ダラを使うところもあるんだとか。檜山地方では、主に塩で味付けしたスケソウダラを使う「塩三平」と味噌で味付けした塩鮭をつかう「味噌三平」の2種類の味が楽しめるそうです!

今でも北海道全域で日常的なおかずとして家庭でもつくられている「三平汁」。家庭によって味付けを変えたり、旬の野菜を使ったりと、調理方法は家庭や地域ごとに受け継がれています。200年以上前から食べられていたと言う料理が今も残っているなんて…、時代を超えて愛され続けている証ですよね!

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三平汁のレシピ

【材料(4人分)】

・サケのあら:適量(半尾分)
・じゃがいも :160g
・大根:80g
・人参:30g
・さやいんげん:30g
・長ねぎ:30g
・ごぼう:30g
・こんにゃく:60g
・昆布だし汁:3カップ
・みりん:小さじ1
・塩:少々
・七味唐辛子:少々
・酒:小さじ1

【作り方】

①サケは塩だしをして、3cmくらいのぶつ切りにする。
②じゃがいもは乱切り、大根と人参はいちょう切り、ごぼうはささがきにし、こんにゃくは一口大にちぎっておく。
③鍋に昆布だし汁と野菜、こんにゃくを入れて柔らかく煮、サケを加え、少々煮てからみりん、塩で調味し、おろしぎわに2cmくらいに切ったねぎを加える。
④三平皿に盛り、七味唐辛子をそえる。

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とろける食感が絶妙…!食べるなら今が旬の「たちの味噌汁」

たちの味噌汁」は、マダラスケソウダラの白子を生のまま丸ごと昆布だしに入れた味噌汁で、道内全域に伝わる郷土料理です。「たち」と長ねぎだけで作るのが一番シンプルですが、大根や人参、白菜、たまねぎや豆腐など、具だくさんにするのも美味♪手軽に美味しく食べられるので、北海道民にとっては馴染み深い冬の家庭料理です。

北海道では、タラの白子のことを「たち」と呼びます。マダラの白子は「真だち」、スケソウダラの白子を「すけだち」と呼んで区別するそうです。「鱈(タラ)」は、魚へんに雪を書くことからもわかるように、雪が降る寒い季節に旬を迎える魚なので、1月から2月ごろが最も味が良いといわれています。

室町時代から江戸や京都など各地で食べられていたタラは、実は武士にも大人気だったんだとか!というのも、当時はタラが腐らないように、腹を切らずに口から内臓を取り出して、そこに塩入れて運んでいたそうです。「腹を切らない」=「切腹を想像しない食べ物」 として大変喜ばれたんだとか!

回転寿司屋や居酒屋はもちろん、家庭でも食べられるのは北海道ならでは。とくに、北海道の「真だち」は高級品として知られていて、全国のお取り寄せグルメでも人気なんだそうです。スケソウダラの白子である「すけだち」は、スーパーでも手ごろな価格で手に入れることができるので、ぜひこの機会に味わってみてはいかがですか?

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たちの味噌汁のレシピ

【材料(1人分)】

・たち:50g
・長ねぎ(斜め小口切り):10g
・白味噌:5g
・赤味噌:4g
・【だし汁】 水:140cc
・【だし汁】 出汁昆布:1g
・【だし汁】 カツオ節:2g

【作り方】

①昆布とカツオ節でだし汁をつくる。
②1のだし汁を鍋に入れ煮たて、たちを入れて熱を通す。たちが煮えたら、長ねぎを加えて火を止める。
③2に溶いておいた白味噌、赤味噌を入れる。

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お正月には欠かせない!道南地域の定番料理「鯨汁(くじらじる)」

鯨汁(くじらじる)」は、塩くじらの脂身豆腐山菜大根ねぎしいたけ里芋などの野菜と合わせて醤油味で煮込むという道南地方の郷土料理です。家庭によっては、塩味や味噌味でつくる場合もありますが、基本的な味付けは醤油味が一般的。くじらから出てくる旨味と野菜から染み出た甘味の相性が抜群なんです

江戸後期から明治時代にかけてニシン漁が盛んにおこなわれていた時代。道南地域において、“ニシンを岸に追い込んでくれる”くじらは縁起の良い動物として崇められていたんだとか。初春からはじまるニシン漁の豊漁を祈願するために、正月の三が日に食べる風習があるそうです。

北海道では、タンパク源となるくじらは貴重な食材なので、塩づけした塩くじらをつくって保存食としていました。くじらと一緒に煮込む食材も、晩秋の季節に収穫した越冬野菜や塩漬けにした山菜といった保存食で作られていて、栄養価の高い「くじら汁」は、極寒の北海道の冬を乗り切るためには欠かせない料理でもありました。栄養満点の鯨汁は、寒さで体調を崩しやすい冬にぴったり!

道南地域では正月が近づくと、大鍋に塩くじらと野菜を煮込んでつくるという「くじら汁」。食べる度に温め直すことで具材に味が染み込んでより美味しくなるみたいですよ〜。みんなで集まる機会も多いお正月は、家族や親戚と「くじら汁」を楽しむのもオススメです♪

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鯨汁(くじらじる)のレシピ

【材料(4人分)】

・くじらの脂身(塩漬け):200g
・豆腐:1丁
・大根:300g
・人参:50g
・わらび:100g
・ふき:50g
・ごぼう:1/2本
・長ねぎ:1/2本
・しいたけ:2枚
・だし汁:6カップ
・酒:大さじ1
・醤油:大さじ2
・塩:少々

【作り方】

①くじらの脂身は薄切りにし、水にさらしてから10分くらいゆでる。
②大根、人参は短冊切り、わらび、ふきは3cmくらいに切り、ごぼうはささがきに、しいたけは千切りにする。
③鍋にだし汁と2の野菜を入れて火にかけ、野菜が柔らかくなったらくじらを加え、酒、醤油、塩で調味し、一口大に切った豆腐を加え、おろしぎわに小口切りにしたねぎを入れる。※好みにより味噌仕立てにしても良い。

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今回は、冬にたべたい北海道の郷土料理をご紹介しました!地域や家庭によって色々な味わいが楽しめるのも郷土料理の魅力です。レシピを参考にしながら、ぜひそれぞれのご家庭の味を楽しんでみてくださいね♪

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文:学生ライター・莉久
出典:農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/index.html)
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Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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