偏らない「自然食」で身も心もリセット

「食べものが身体を作る」ということは頭で理解していても、現実にはつい不摂生をしてしまうことも多い。そんなときは、「おうちごはん野の」の池田奈穂子さんが作る優しい料理をたっぷりといただいて、身も心もリセットしてみるのがいい。

一番人気のメニューは『野の定食(1,650円)』。他に、いけだ野の卵や駒ヶ丘牛乳を使った『プリン(440円)』、冷めてもおいしいコーヒー『ハルちゃんブレンド(550円)』等。

おうちごはん野の、池田奈穂子さんの挑戦

奈穂子さんは2017年、30年以上務めてきた教員としての仕事を早期退職し、野のをオープンさせた。場所は札幌市南区の街はずれ。30年ほど前に父と母が開墾した土地だ。「父は60歳の時にこの場所にきて、畑を作って鶏を飼い、夢だった農的暮らしを実現させたのです」。72歳で亡くなった父の「あと5年早く始めていればもっといろいろできたのに」という言葉が忘れられず、55歳を目途に新たな挑戦をすることを目標にしてきた奈穂子さん。現在は弟が養鶏を引き継ぎ、平飼い有精卵を生産、そして奈穂子さんは夫と共に、農薬や化学肥料を使わない野菜の栽培と野のの経営をしている。

本当に食べたいもの、を真剣に考えること

提供する料理は、自家製の野菜や卵を中心とした「自然食」。主菜や味噌汁は注文を受けてから作り、電子レンジ等は使わずに温かい料理を提供する。これらさまざまなこだわりは、すべて実体験に基づいている。

子どもの頃からアトピーのような症状に悩まされてきた奈穂子さん。原因と思われるのは、医者の勧めでグルタミン酸ナトリウムを過剰に摂取したこと。また、20代の頃に食を見直そうと菜食を始めたのが、タンパク質不足で逆に不調に。回復までには1年以上かかったという。「いろいろな経験をしましたが、今は『食べたいものを食べる』のが大切だという考えに落ち着きました」。何事も、偏りすぎるのは考えもの。

池田奈穂子さんと、夫の中神治夫さん。治夫さんは店の環境整備係。一人語り芝居の役者としても活躍中。

野のでは菜食主義者向けのメニューから、唐揚げやカツ、カレーなどの肉を使った料理まで揃えている。「もちろん、お肉も抗生剤などを一切使っていない安心なものだけを仕入れています」。
自分が本当に食べたいものって、何だろう。週に1度、せめて月に1度だけでも、身体の声にじっと耳を澄ませてみたい。

店内では、安心安全な素材が使われた加工食品や調味料を購入できる。奈穂子さんの弟が生産している平飼い有精卵も購入可能。弟は「いけだ野」の屋号で自然食品の販売も行っている。

おうちごはん野の

札幌市南区簾舞94-2
TEL.090-9436-5256
営業時間/金・土曜 12:00~15:00、17:00~20:00
日・月曜 12:00~15:00
定休日/火~木曜、不定休あり
席数/16席
https://nonoikeda913.wixsite.com/nono

スロウ日和|北海道の、寄り道ライブラリー

メイドイン北海道のウェブメディア「スロウ日和」。心があったまる、人・店・景色に出会うためのとっておき情報を、本棚(ライブラリー)形式の特集でご紹介。創刊18年の雑誌『northern style スロウ』からWEBへ、私たちが大好きな北海道の豊かさを伝えます。

https://slowbiyori.com/

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