2021.10.15

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「日常会話」がなくなって1年半…コロナ禍で孤独を感じる人に知ってほしい3つの習慣

ソーシャルディスタンスという言葉が生まれ、人との関わりを極力減らすように言われてから約1年半。何気ない会話がなくなり、休憩時間のおしゃべりも、仕事帰りの寄り道もできなくなりました。

少しずつ変わってきているとはいえ、当初の予想以上に長引いているこの状況に、多くの人が疲れ、孤独や虚しさを感じているのではないでしょうか。

今回は公認心理師である筆者が、「なんだか寂しいな」「毎日が虚しいな」と感じる方に試してほしい、こころに元気を取り戻すための3つの方法をご紹介します。

1:昔の自分の「成功体験」を思い出す

今回のような世界的な状況は初めてのことでも、あなたはこれまでの人生の中で様々な困難を乗り越えてきているはずです。今振り返れば「たいしたことなかった」と思うことでも、その当時のあなたは苦しみ、悩み、なんらかの形で乗り切ってきたことと思います。

過去のあなたが工夫して乗り切ったことを探してみてください。「あのときは話を聞いてくれる人がいたから」と思った方。人に感謝できるとても謙虚で優しい方ですね。

でも、その誰かの力だけで困難を乗り切ったわけではないはずです。誰かの力は借りたかもしれないけれど、その困難を乗り切ったのはあなた自身です。自分自身の努力や工夫にも目を向けて、「あんな大変なときも乗り切ったんだな」と自分のすごさを振り返って、誇ってみてください。 そして過去にうまくいった方法の中で、今も使えるものがあれば、試してみるといいですね。

2:自分の身近にある「あたたかさ」「支えられている感覚」に意識を向ける

毎日検温されているという方も多いでしょう。でも実際に自分の肌に触って、その温かさを感じたことはありますか?

人は肌の温かさに安心感を抱くものです。優しく自分自身の左手の上に右手を置いて、その触れ合っている部分の温かさを感じてみてください。最初はひんやりしていても、だんだんと温かくなって少しホッとした気持ちになってきませんか? 胸元あたりに手を当ててみるのもおすすめです。肌同士が触れ合っているところに少しだけ集中して、温かさを味わい深呼吸をしてみましょう。

また「不安が強いな」というときは、足の裏の感覚を味わってみることも役に立ちます。あなたの足の裏で、支えてくれている床の安定感を味わってみてください。これは震災のあとにもよく用いられる技法なのですが、人は不安が強くなっているとき、安定感を求めます。できれば靴をぬいで、足の裏で強く床を押してみてください。床は動くことなく、しっかりとあなたの足の裏を支えてくれているはずです。その安定感を味わうと、不思議と不安が少しやわらぐはずです。

3:「こんなこと」と思わずに「大事なこと」と認めて大切に扱う

あなた自身の中にある力、そして今身近にあるものの力を味わってみても、それでもやっぱり、誰かと気持ちを共有したい……そう思うことはありますよね。

人は、誰かと触れ合い、自分のことをわかってもらいたいという欲求を持つ生き物です。これは本能的なレベルの欲求ですから、今のように人との距離を取らなくてはいけない、会話もままならないという状況はとてもストレスフル。あなたが弱いから、甘えているから辛くなっているわけではありません。

こういう状況だからこそ、 「こんなこと」と思わずに、あなたにとっては「大事なことなんだ」と思って 、伝えたい相手にメールや電話で伝えてみましょう。

「あの人は忙しいのにこんなことで連絡したら迷惑かも」なんて思わずに。あなたにとっては大事なことで、その大事なことを伝えたいと思う相手がいるのであれば、連絡をとってみてください。

全てのことは「必要」

世の中には“不要”なものは一つもなく、全ての人、全てのことが必要なのです。誰かにとっては不要でも、他の誰かにとっては必要です。あなたにとって大事であれば、それはきちんと大切に扱いましょう。

感染症拡大予防のために、気を付けなくてはいけないことはたくさんあります。日常の何気ない会話など、思うようにできないこともあるでしょう。でもそれが誰かにとって“不要”だからといって我慢するのが当たり前なのではなく、自分にはそれが“必要”なことであって、今は我慢しているのだときちんと認識することが大事です。そして、我慢している自分をきちんと認めて、いたわってあげることが大事です。

一瞬でもいいのです。あなたが感じる不安や孤独が一日のうちの5分間でも和らげば、その分こころは元気になります。こんな大変な毎日を生き抜いている自分自身のこころのための時間を作って、いたわってあげてみてくださいね。

文:竹原久美子(公認心理師/婦人科クリニック勤務)

【画像】Pangaea, コロコロ, Engdao / PIXTA(ピクスタ)

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Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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