2024.07.03
暮らす国立公園に指定されてから60周年を迎えた知床。
2025年には、世界遺産の登録20周年も控えています。
観光客としてではなく、知床に移住し、ツアーガイドをする台湾出身の女性がいます。
彼女が発信する知床の魅力の伝え方とは…
いろいろな生き方・働き方をしている北海道の女性へのインタビューを通して、自分らしく生きるヒントを見つけるための連載です。
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きれいな海に、迫力のある山。
さらには、野生のヒグマにエゾシカ。
北海道の魅力をすべて集めたような、壮大な自然が広がる、道東の知床。
そんな知床に魅せられた外国人の1人。
台湾出身の藍屏芳(らん・ぴんふぁん)さんです。
藍さんは2015年の2月、ワーキングホリデー制度を利用して、台湾から3000キロ以上離れた知床にやってきました。
きっかけは、台湾のテレビで見た「流氷ウォークを紹介する番組」でした。
「『何これ!』と思って、こんな台湾に近い日本にもこんなアクティブがあるんだ、ヨーロッパまで行かなくてもいいんだと初めて知って、勉強に行ってみようと思って」
そして、いざ来てみると…
「なんもなーい、誰も歩いてませーん」「寒くて、次の日吹雪で」
「人生でそんな寒いところで住めるかってね、台湾、暑いから」
そう話す藍さん。でも、こう笑います。
「で、今まだここにいる…で、まだ飽きてません!」
台湾の2月の平均気温は20℃前後、知床との気温差は約25℃もあります。
それでも藍さんは、知床の自然はもちろん、なにより人の温かさに惚れ込み、2020年には地元の漁師と結婚しました。
「不便さはあるけど、本当に最初に来たときも、今もずっとすごく優しい。地元の人たちが、すごく優しくて」
今は永住権を取得し、知床に定住していて、知床には欠かせない存在です。
地元の人に聞いてみると…
「大活躍!知床と言えば、藍ちゃん!」
「本当にすごく貴重な存在」
そんな声が聞こえてきます。